人殺しアーズはどうして生まれたのか
二次創作品「エウレカセブンEARTHLIGHT」において、不当な行いをする者の殺害を重ねる(予定)アーズはどうして生まれたのか。
その経緯についてお話ししようと思います。
アーズってどんなヤツ?
【アーズ・レイザー】
19歳男性。
地球人の母と金星人の父のもとに生まれたハーフで妹にクワローズがいる。
家族で地球に移住したが、その際に母親を失い、父親はテロ行為に走るようになった。
アーズ自身もその際に襲撃したニルヴァーシュ type BETAの行方を追っている。
自らが保護した突然変異人型コーラリアンの少年、タイガ・ヤマトを連れてホーリー・ランドに来所したが、同施設の運営方針の腐敗に失望し、所長のケイ・タチバナに交渉する。
結果、交渉は虚しい形で終わり、以後は強硬手段に走る。
内容は不当にも特権的に優遇されている施設の利用者や理不尽にも一部の利用者を冷遇するスタッフに対する武力行使。
その際にはS&W M500というマグナムリボルバーを使用し、対象を物理的に粉砕する。
こうして武力行使を重ねたアーズはいつしか畏怖と侮蔑の念を込めて「人殺しアーズ」「アーズ・ザ・レッドラム」と呼ばれるようになった。
ただし、アーズ本人は自らを「紅い騎士」と称している。
これに対しホーリー・ランド側はアーズを強制的に追放。
施設を追われたアーズは、施設内で不当な冷遇を受けていたマオ・ハザマ、タイガ・ヤマト、アヤナ・ネイル、ヒカリ・アオバに加え、施設内で誘拐テロを起こしたジミー・ハックやニルヴァーシュ type GAMMAを強奪しホーリー・ランドと対立していた塔州連邦軍人メイリン・ハオの6人をスカウトし、自らが起ち上げた対抗武装組織「スカーレット・ドーン」に彼らをメンバーとして加える。
以降は不当な武力行使を行うようになったホーリー・ランドと戦いを繰り広げる。
すべては自由のために。
復讐のために。
アーズ・レイザーはエウレカセブン二次創作品「エウレカセブンEARTHLIGHT」に登場する予定のキャラクターの一人で、作中の登場人物たちを引っ張っていくようなキャラクターとして空想しました。
もともとはテレビゲーム、アーマード・コアで自分が書いていた二次創作小説(残念ながら完結はしませんでした)おける主人公として考えられたもので、デザインも名前も当時からそのまま引き継がれています。
アーマード・コアの二次創作においては、両親を殺害したAC「ナインボール」への復讐が動機となっており、エウレカセブン二次創作においてもそのような目的は一貫しています。
新たな追跡目標となったニルヴァーシュ type BETAもナインボールをモチーフにして考えています。
アーズが生まれ変わった経緯
アーマード・コアの二次創作期においては、原作の時点で注目されていた復讐劇の主人公として設定し「イケメンのあんちゃんで物騒なことを考えていそう」という、なんともまぁ不純かつ不謹慎な動機でしたが、この復讐対象は作者の頭の中で思わぬ形で広がっていき、いつしか「体制そのものへの復讐者」というキャラクターになりました。
アーマード・コアにおいてはfor Anserの二次創作内で企業体制への反発側としてクレイドルを撃墜する者としてまで考えようともしていましたが、エウレカセブンの二次創作を進めているうちに、アーズも「せっかくだから出しちゃえ!」ということになり、別作品のキャラクターとして設定し直されました。
もっともな理由は自分にもわかりませんが、自分の中で大きかったと思えるのは、2019年春ごろに休会し、秋には退会した、セラピールームと掲げるある地域活動支援センター(以下:地活)における数々の出来事に対する自分の感想でしょう。
自分の怒りがアーズの怒りに
その地活では、利用者が上から目線で接しても、僕の靴をわざとらしく散らかしても、「何のために生きてるんですか〜? w」とあおっても、所長やスタッフさん(さん付けしたくはないが……一応)たちは「そんなことない」「悪意がない」「どうみてもそう受け取れはしない」の一点張りでした。
たしかに僕は統合失調症を抱えており、その影響はあるでしょうが、僕は高専を5年次で中退しているがゆえに「そんなすごい学校(自分でいうのもなんですけど)出身なのに中退とはよほど人間的に大きな欠陥があるだろうね」とか「同い年の利用者で結婚も出産もしているのに、それに比べてこいつは……情けない」、「若いのに腹が出ていてみすぼらしい! あと言行動や服装がモテなさそう!」と思われているんだろうなぁと地活内においても思っていました。
高専時代やその前後に出会った人、再開した人の中には実際にそのような思いを口にしていた者もいます。
地活内においてもそれらが全くないとは思えません。
特にスタッフさんたちからもてはやされている女性利用者さんからは目の敵にされていた感が強くあります。
アーズはインセルのシンボルになる? これからの彼の動向
プロフィールをご覧になるように、アーズの行いは決して許されるものではありません。
だからといって、彼をそのような行動に走らせる出来事や背景を野放しにしていいとも僕は思えません。
特に通っていた地活やTwitterでは「発達・精神障害を抱える男性は強者たる健常者男性になり損ねた存在」として扱われてしまっている感が大いにあります。
女性の方々には悪いのですが、当事者が辛さを語っただけでも「女のほうがもっとつらい、甘えんな」といった内容で返されるのを見てきました。
これではあんまりではないでしょうか。
まるで辛さでマウントを取っているようで、言われた側としては心が痛みます。
そこで僕はあることを思いつきました。
「アーズを活躍させて、インセル(性を問わず)として虐げられている人々を救う物語を描いてみよう」と。
そうして思いついたのが先述のプロフィールです。
繰り返しますが、彼の行動は決して許されるものではありません。
それでも、彼の行動が、現実世界で虐げられてしまう人々に何らかの勇気をもたらすきっかけになればと思います。
アーズが特に守ろうとしている存在として挙げられるのが、タイガ・ヤマトという少年です。
彼は統合失調症をきっかけにスカブの声を聞き、それを受け入れて人型コーラリアンとして突然変異したという存在です(設定は創作によるもの)。
彼はその控えめに映る言行動から「女々しい」「情けない」「みすぼらしい」と所属していた施設、ホーリー・ランドにおける周囲の男女からけなされて心を痛ませていました。
さらには職員からも工賃を不当に減らされたり精神的な虐待を受けていました。
「弱い者いじめを楽しむやつらめ……この、特権階級どもがぁっ!」
アーズは愛用のマグナムリボルバーで、タイガを虐待しながらおいしい汁をすする施設の職員や利用者を全員粉砕しました。
そしてアーズはホーリー・ランドをはじめとした大勢力に虐げられているすべての人々を社会的に、そして精神的に解放するべく反抗組織、スカーレット・ドーン(名前の由来はアーケードゲーム「ザ・ハウス・オブ・ザ・デッドシリーズ」の一作品)を蜂起します。
小説もTRPGもまだまだ制作途上ではありますが、アーズが活躍して人々を引っ張る姿は作者としても見てみたいものですね。
エウレカセブンEARTHLIGHTとの連動企画
アーズが活躍する予定の二次創作品「エウレカセブンEARTHLIGHT」は、もともとエウレカセブン二次創作のマシンやキャラクターを活躍させる企画として考えたものです。
このような二次創作を通してファンやエウレカセブンを知らないけど興味がある人々と交流できたらと思い、二次創作キャンペーンの宣伝をします。
TwitterやFacebook, Instagramといった3種のSNSで同時募集しているエウレカセブン二次創作ドリームマシンプロジェクトです。
エウレカセブンは知らないけどメカには興味がある、という人も歓迎です。
この計画は、微力ながらも公式のエウレカセブンを応援すると同時にインセルをはじめとしたマイノリティや社会的な生きづらさを自認する人々の居場所になればなと思って立ち上げたものです。
自分の頭に浮かんだマシンや武器を提案し、それをデザインする人(今のところは僕がもっぱら担っています)によって描き起こされる……そのようなつながりを通してコミュニケーションや楽しみを生み出したいと思います。
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